2016年7月22日金曜日

窓の役割


窓には大きく分けて3つの役割があります。
「視認」と「通風」と「採光」です。

「視認」は屋内から外の様子がわかるようにすること。したがって取り付け位置は目線が届く高さで、透明でなければなりませんが、開閉は絶対ではありません。つまりはめ殺しの窓でもOK。注意しなければならないのは外部との位置関係です。大窓を設けたものの隣家で風景が遮られたり、あるいは開放性はあるが、外から屋内が丸見えになるのはNG。

「通風」は文字通り風を通すこと。取り付け位置は目線と関係しなくてもOKで、透明である必要もなく、ガラスでなければならないわけでもありません。絶対なのは開閉できること。「はめ殺しの通風窓」というのはありえないわけです。

「採光」は太陽光を効率よく室内に取り込むことです。開閉の可否は問われませんが、注意しなければならないのは、「視認」と同様に外部との位置関係と程度をしっかり把握することです。つまり室内を明るくしたいがために透明の大窓にしても、西日が照りつける位置に取り付けてはまぶしすぎるというわけです。


この3つの役割を知った上で、窓をどう設計するか。
まず「視認性」を高めるためには外部との関係性を把握し、可能な限り大きな窓にすれば開放的になります。
「通風」と「採光」を確保するために重要なのは取り付けの位置です。
窓というと目線の高さにあるべきものと考えがちですが、「通風」「採光」のためにはむしろ高い位置か低い位置にした方がいい場合があります。

例えば夏場の通風を考えた場合、暖かい空気は上昇するので、通風窓は高い位置にあった方が効率的です。また高い位置に採光」のための窓を設けると、屋内全体に光が回り、明るい室内にすることができます。

こうして考えてみると、窓の設計がおろそかでしっかり役割を果たさせていない家が多いような気がします。言い換えれば目的に応じて窓を設計すれば住まいの快適性は増すということ。

夏は開け閉めしたり陽射しを気にしたりと、何かと窓の存在が気になる季節です。
これから家づくりをお考えなら、ぜひ窓の役割について考えてみてください。