2013年9月26日木曜日

木の家のお手入れ 2


無垢材とは、木がすっぴんの状態ということ。

調湿してくれるし、さらさらで肌触りは良いし、木の香りは心地良いのですが、
塩ビ加工やコーティングなどが施してあるフローリング材と違い、傷つきやすいのが玉にキズなんです。

創の家では、床材にスギ、カラマツ、ヒノキなどを使いますが、傷がつきやすいのもこの順番です。
すなわち、傷つきやすいとは「材質が柔らかい=肌触りがやさしい」ということで、スギは触れた感じでも温かみがあるのですが、柔らかい分だけ傷つきやすいのです。

ヒノキはスギと比べると、ちょっと触れただけで違いがわかるほど硬質で冷たい感じがします。しかし、その分スギより傷つきにくい特長があります。

カラマツは両者の中間的な材質といった位置付けです。

わが家ではカラマツを床材にしていますが、スギほどではないにしても、どうしても傷はつきます。

たとえば、硬い物を床に落とすとこんな傷が。。




ひとつやふたつならまだしも、多くあると目立ちます。

これをなんとか目立たなくしたい!!

そこで活躍するのが、たっぷり濡らした雑巾とアイロンです。

まずは、傷の箇所に濡らした雑巾の水をポトリポトリ。。。



次に、傷の上に雑巾を置き、その上からアイロンをジュジュッ!!とやってください。
高温のスチームで、躊躇せずぐいぐい押し付けるようにするのがポイントです。



「こんなことして大丈夫か・・・」
なんて恐れる必要はありません。
無垢材は傷つきやすい反面、柔軟で復元力があり強いんです。

さあ、熱々に蒸された木の香りがしてきましたか??
そうしたらほぼ完了と思ってOKです。

おもむろに雑巾をよけてみると。。。

じゃじゃじゃじゃーんで、じぇじぇじぇじぇ!!


鋭く凹んでいた部分が盛り上がり、だいぶ目立たなくなっています。
わかりますか??

木の繊維が割れたようなものは復元できないので、ちょっと割れたような痕はありますが、凹みはほとんど復元できました。

ポイントはたっぷり濡らした雑巾を、高温アイロンでぐいぐいです。
ただし、やり過ぎて床が焦げないように注意してください。

こんな住まい手自身ののちょっとした工夫で、手入れができるのも木の家ならでは。
塩ビ加工やコーティングした床材ではこうはいきません。

木の家はこんな風に手を加え、育てる楽しみがあります。



2013年9月15日日曜日

木の家のお手入れ 1



ああっ!!
仕事中に、真っ白な漆喰壁をボールペンが!!




 げげげ!!!
やべーんじゃねぇのー どーすっぺー  拭いて落ちっぺが???

と、そういえば「砂消しゴム」があったのを思い出しました。
じゃじゃ〜〜ん。




で、早速汚した部分をこすりこすり。。。




すると。。。。




な、なんとペンの痕はきれいになくなりました。
ちょっと強くこすってしまったので、表面に少し傷跡がありますが、
ゆっくり丁寧にすれば傷も目立ちません。

また、表面を滑らかにするには細目のサンドペーパーがおすすめです。

汚れの心配から漆喰壁を避けるようなことも聞きますが、大きなダメージでなければ
こうして簡単に修復できるのが魅力。
例えばこれが塩ビクロスだと、擦ればズルズル醜くなるだけです。

まあ、住んでいるうちの自然な汚れは“味”と考えることにして、
木の家はちょっとした智恵や工夫でさらに愛着が深くなります。


なにより木の家には、やはり漆喰壁がお似合いです。




2013年9月5日木曜日

階段の使い方



建築的な考え方では、階段は階下の床が持ち上がったものではなく、
上階の床が降りたものと考えるのが自然なんだそうです。
どんな理由によるかは忘れたので、気になる方は建築家に聞いてもらうとして、
その使い方については、建築の素人でも決められます。

単に上り下りのためだけでなく、合理性を求めるでもなく、
階段に遊びの要素を加えたり、ゆとりの空間と考えることはできないか。

例えば、階段と本棚を連動させてみる。




階段に十分な幅が確保できれば、そこは収納スペース兼読書のためのベンチにすることがきます。


またはこんな例も。




これは段差を棚スペースとしたもので、まさに階段をゆとりスペースと考えた好例と言えるでしょう。
ただし、住宅では簡単にマネできそうもない仕様ですが。

うちの場合、階段+本棚には憧れましたが、もろもろの事情で実現できませんでした。
でも、ただ実用的なだけの階段はつまらないし、開放的でなおかつ家全体のゆとり感を高められる階段が欲しいと考え、できたのがこれです。




踏板、桁、手すりのすべてがタモ材。
当初、開放感と強さのため、桁と手すりは鉄骨で、との予定でしたが、
『木でもつくれる!』という棟梁の一声でこんな階段に。

収納などの機能性はないけれど、玄関を入ってすぐ目につくそれは、スケルトン構造のため開放的で、ゆとりを感じさせるのに役立っています。

もちろん、太さ20センチもの桁による力強さや踏板の左右の支柱、スマートな手すりなど、そのすべてが独特の存在感を放っています。

『だれに見せても恥ずかしくない』と棟梁が言い切る自慢の階段。
わが家でその良さをいちばんに満喫しているのは、誰あろう愛犬かもしれません。