「小山くん、『からかみ』って知ってっか?」
京都への旅は、そんな問いかけから始まりました。
負けず嫌いの彼はわからないとは言わず、のらりくらりかわそうとします。
ならばと私(あおぞら企画室室長)は、勝手に話すフリをして『からかみ』について教えてあげました。
ならばと私(あおぞら企画室室長)は、勝手に話すフリをして『からかみ』について教えてあげました。
それは京都にあること。(江戸からかみもあります)
伝統的な文様を彫った版木に雲母などを混ぜた絵具をのせ、和紙に刷ったものであること。
(版画を思い浮かべればわかりやすいです)
(版画を思い浮かべればわかりやすいです)
桂離宮、京都御所、二条城の襖に使われていること。
和風建築に似合うのはもちろん、文様や刷る紙の色合わせが自在に楽しめ、
デザイン的にいまどき感もあること。などを話しました。
デザイン的にいまどき感もあること。などを話しました。
そんな、桂離宮にもある襖紙が新居にも欲しい、と企んだ私は、
京都の老舗〈丸二〉さんから現物の『からかみ』が和綴された見本帳を取り寄せました。そして、
花鳥風月が反映された様々な文様を眺めながら、新居の妄想をふくらませていたのです。
京都の老舗〈丸二〉さんから現物の『からかみ』が和綴された見本帳を取り寄せました。そして、
花鳥風月が反映された様々な文様を眺めながら、新居の妄想をふくらませていたのです。
〈丸二〉さんからお借りした『からかみ』の見本帳 |
さて、設計者にも打ち明けたことで、妄想は実現に向け動き出しました。次は新居のどこにどの『からかみ』を使うかです。建具屋の上杉さんを加え、3人で見本帳を囲みながらしばし相談。
上杉さんに土下座・・・じゃなくて図面を確認する小山くん |
「和室の入口はどれがいいべね?」
「・・・う〜む」
「こいつは2階に良いんでね?」
「これも良くね?」
「・・・」
「う〜〜〜む」
見るものどれも美しく、1冊の見本帳に約50種の文様見本があり紙も色も豊富で、それが手元に2冊。とても選びきれずにいると、上杉さんがさらりと言いました。
「いいっスね!」
と返したのは小山くんです。
しかし、この場合の“いいっスね”は、同意ではなく
願望です。
(数枚の襖紙を選ぶために京都に行けたら・・・いいね)とは、私も同じ気持ちだけど、この忙しいさなかそんな道楽は許されないのです。
願望です。
(数枚の襖紙を選ぶために京都に行けたら・・・いいね)とは、私も同じ気持ちだけど、この忙しいさなかそんな道楽は許されないのです。
しかし、ものづくりに並々ならぬ執念を見せる二人は、
(そんなのダメだ)と言いながら、
「いい勉強になるな」とニヤニヤする始末。
と、私も彼らの悪企みに加担しそうです。
(言い出しっぺは、私ですが)
こうして相談は、いつしか京都旅の密談になっていました。「行きたい!」となったら、もう止まりません。
そんなわけで数寄者3人は、1泊2日の京都旅に出かけたのです。
(その2へつづく)
You Tubeに〈丸二〉さんの動画があります。
からかみの手技のスゴさがわかります!
京からかみ 丸二
(その2へつづく)
ユニークな文様も |
You Tubeに〈丸二〉さんの動画があります。
からかみの手技のスゴさがわかります!
京からかみ 丸二
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