2015年12月1日火曜日

技と工夫のアーカイブ12  『やわらかな光が注ぐ高床の家』 〜秋保石の炉壁〜

『やわらかな光が注ぐ高床の家』 竣工:平成24年7月




薪をいっぱいに焚くと表面温度が200℃以上になる薪ストーブ。
暖房効率のためには設置場所を考えなければなりませんが、同時に安全性も確保しなければなりません。木造の家ではなおさらです。

薪ストーブの強烈な熱から家を守る炉台と炉壁には、凝灰岩が多く利用されます。栃木で産出される大谷石や青森の十和田石などが有名ですが、地元でも秋保で産出する秋保石があります。
耐久性と耐火性、耐水性に優れながら加工しやすいことから、かつては建築資材として多く使われたそうです。古い土蔵などで使われているので、私たちも気づかないうちに目にしているかもしれません。
しかし、戦後から高度成長時代になると建築材として利用されることも少なくなり、この住まいの炉壁のために手配した時点では、2軒の業者が切り出しているだけでした。
(現時点でその業者が切り出しているかどうかは確認できません)

全体に黄色味がかった色合いは石の硬質な印象を感じさせず、薪ストーブの優しい温かさによく似合っています。また堆積の時に混じった大小さまざまな石が美しい表情を見せるのも魅力です。




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