2016年2月12日金曜日

技と工夫のアーカイブ21 『素で自然とつながる家』 〜木製枠のサッシ〜

『素で自然とつながる家』 竣工:平成26年10月


シンプルな箱型の家がいい、というオーダーに応えて生まれました。軒の出をなくし、屋根勾配をゆるくしたことで箱型が強調されました。ともすると素っ気ない印象になってしまいますが、造形のシンプルさはそのままに、見た目に木の家らしい温かみを与えるのが木製枠のサッシです。
最新の高い断熱性能を持つサッシガラスを、オリジナルで作製したサワラ材の枠で仕上げました。サワラは木桶などにも使われるように水に強いのが特徴で、雨にさらされる窓枠には最適です。気密性能はメーカーの樹脂製枠に比べると多少劣りますが、大窓の存在感と木の雰囲気は、家の佇まいに落ち着きを与えます。

天井高いっぱいで幅もだんらんの間の間口に匹敵するワイドさを持つこのサッシは、全開にして壁内に収納できるので、室内からは遮るもののない眺めと開放感が楽しめます。一方窓を全開にして外から室内を見ると、窓の高さと天井高が同じなので造形のシンプルさが際立つとともに、室内の眺めに奥行きが感じられ、部屋を実際以上に広く見せます。






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