今回はいつもと趣向を変えて、この住まいだけでなく、私たちが建てる家に取り入れた障子について紹介します。
まず、この住まいのために造ったのが吉村障子です。以前、このブログでも紹介した通り、框と組子の幅を同じにしたもので、これにより複数の障子を立てたときに全体で一枚の障子に見えるようにしています。障子なのにどこかモダンな印象があります。
こちらは組子を格子状ではなく縦のラインが際立つようにしたもの。
吉村障子のようにモダンというより、ちょっとクラシカルな雰囲気が漂います。
例えば掃き出し窓のような縦長の開口部に採用すると、繊細な感じに見えるかもしれません。
一方、『創の家』で採用したのは月見障子です。
これは掃き出し窓の開口を上下に分割し、上の部分を開けて室内から空を眺められるようにしたもの。その場合下半分は障子があるので、外部からの視線は遮られるというわけです。
この月見障子とは逆に下半分が開くのが雪見障子。室内から雪景色が眺められるようにします。
このように障子と言ってもさまざまな形があるし、断熱の役割を果たすほか、和紙を通すことで外からの光が拡散し、部屋全体を明るくするという効果もあります。
障子は和室の装飾のためだけにあるのではないのですね。
ぜひこの機会に、障子など建具の意匠をはじめ、技と工夫のあれこれをじっくりお楽しみください。
会場など詳しい案内は後日、創のブログでお知らせします。
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