2016年3月2日水曜日

創が目指すべきこと


この前の週末、創では久しぶりに完成物件の見学会を開催しました。
来場者数もほぼ目標を達成でき、会の関係者としてひと安心です。
そして今回は、数字以上に訪れた方々と中身の濃い対話ができ、充実した機会になったと思っています。

過去の見学会でも、無垢の木と自然素材の家に興味を持つ多くの方々にご来場いただきましたが、これまでのアピールが実を結んだのか、あるいはこうした家づくりへの関心が高まっているせいか、お客さんの質問や反応にはこれまで以上に緊張感があるように感じました。わかりやすく言うと、家づくりのあれこれに詳しい人や真剣に取り組む人が多いということ。木の家や自然素材についても明らかに理解が進んでいます。つまり、それと応対するつくり手は、ますますうかうかしていられなくなっているのです。
「被災地は住宅建築バブル」という人がいたら、それは実態を知らない者の戯言だと断言できます。お客さんは明らかに賢くなっているし、特に被災した人々は、無責任な狂騒に踊らされない知恵や覚悟も持っています。




来場したお客さんの中に、こんな話をしてくれた人がいました。
「ハウスメーカーの家はピンと来ない。かといって地元の工務店も違う」
その方はいくつものハウスメーカーを回り比較検討したが、希望に合う家が見つからなかったそうです。ひと言で言うなら「自分たちには不必要なものが多すぎると感じた」とか。挙句には、見積もりをお願いしたら伝えていた予算をはるかに超える額を提示されたそうです。

その一方で、地元の工務店も当たったそうです。しかし今度は欲しいものがない。こんな家がいいと写真を見せて説明しても反応が鈍い。
「地元の工務店は安心だけど、いまどきじゃない」。そう感じたそうです。

その方は創の家を見て、なるほど、うんうん、と連発していました。
創の見学会も本格的な木組みの家も初めてなので、どこがどういいか具体的な点を聞くまではできませんでしたが、他所に不満を感じていたこころに創の家づくりは確実に響いていたようです。




この方が、ハウスメーカーと地元の工務店に感じた過剰と不足。
今考えるとそれは特殊な例ではなく、現在の住宅建築業界に言えることではないかと思います。
最大公約数で家づくりをするハウスメーカーでは、すべてのニーズに応えられない。方や地元の工務店は技術面に注力し、それぞれのいまどきの暮らし方に見合った提案力に乏しい。
言ってしまえば現在の家づくりは、『帯に短し襷に長し』なのかもしれません。
もしそうだとしたら求められるのは、それぞれの帯にも襷にもなる技術やアイディア、そして提案力なのでしょう。

ハウスメーカーのアイディアと開発力を見習いつつ、培った技術と対応力でお客さんに安心と新しい暮らしを届ける。
言い古されているようでいながら、そこにはやはり取り組むべき普遍的なテーマがあるような気がします。





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