2016年3月11日金曜日

技と工夫のアーカイブ23 『風流感じる木組みの家』 〜妻飾り〜

 『風流感じる木組みの家』 竣工:平成26年11月






ここ数年応募している住宅コンクールで、4年連続受賞となる優秀賞を受賞した住まいです。つい先日、その授賞式がありました。

目的のない飾りは好きではありません。なので私たちが建てる住まいでは、外も内にも意味のない装飾は施しません。そんな中で唯一と言ってもいい装飾が妻飾りです。屋根の妻部分に掛けられるそれは、伝統建築の蟇股 (かえるまた) や豕叉首 (いのこさす)が原型で、かつては架構の意味がありましたが、現在の住宅建築では機能的な意味はほとんどなくなりました。
この住まいの妻飾りは、二つの円をモチーフにしました。二つの円弧がぐんぐん伸びてそれが大きな円になるように、家族の夢が育ち、つながり、幸せがいつまでも巡るようにと
願いを込めました。


角材をルーバー状に組み装飾性は極力排除したものの、和の住まいのいいアクセントになり、どっしりとした風格も増したのではないかと思います。また妻飾りを掛ける機会があっても、主張せず良い印象を助ける飾りにしたいと思います。






ちなみに、webで「妻飾り」と検索すると、アルファベット文字や鳥や花をモチーフにしたものがいっぱい出てきました。南欧風の家に多いようですが、私たちの住まいには到底似合いそうもありません。

0 件のコメント:

コメントを投稿