2016年5月19日木曜日

技と工夫のアーカイブ31 『静かな光が差し込む家』 〜弱者の視点で家づくり〜

『静かな光が差し込む家』 竣工:平成28年5月



家づくりは、そこに住む人の中で最もハンデのある人の立場で考えなければなりません。高齢で足腰に不安があるならその人が生活しやすい間取りにする。それに倣えばこの家の主役は90代になるおばあさんで、おばあさんが暮らしやすいように動線と間取りを考えました。

おばあさんの寝室はこの家で最も日当たりの良い南東に向くようにしました。そこは玄関を入って最初の居室です。ですから外とのアクセスが便利。また家族が過ごす「だんらんの間」も隣なので行き来しやすい。おまけに「だんらんの間」とは広々としたウッドデッキを介してもつながっているので開放的かつ動線も機能的にしています。

トイレ、お風呂は玄関を挟んで1階の北側にありますが、おばあさんの寝室から最も近く安心です。そしてキッチンは廊下を挟んで西側に、その南隣にダイニングを設けました。

間取り図があればわかりやすいのですが、この家の動線はおばあさんの寝室を軸に、「だんらんの間」とダイニング、キッチンを周回できるようになっているのです。足腰に不安があるのでできるだけ短い距離で必要な場所へ行けるようにしよう。そうした考えで間取りを考えたことで機能的な家になりました。







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