2016年5月26日木曜日

技と工夫のアーカイブ32 『静かな光が差し込む家』 〜間仕切りの効果〜

『静かな光が差し込む家』 竣工:平成28年5月





南に大きな建物が隣接しています。そのため開放感のある東側の開口を大きくしました。
とはいえ日が回ると採光は弱くなります。そこで考えたのが1階だんらんの間の上に2階は上げず、部屋の中央に天窓を設けること。これにより「だんらんの間」では、南面からの日差しは望めなくても真上から明るい日差しが差し込みます。

もう一つの工夫は、だんらんの間とは独立したダイニングにも明るい日差しを呼び込むこと。ここには2階が上がりますが、階段ホールと連続した吹き抜け、さらに2階廊下の一部をスノコ床にしたことで日差しと風通しを良くしました。

高齢のおばあさんが暮らすこの家では、寝室のほかにくつろげる畳の間が欲しいと要望がありました。そこでだんらんの間に連続して3畳大の畳の間を設けました。
これによりだんらんの間、畳の間、そしてダイニングは適度に仕切られるようになり、空間構成にメリハリが生まれました。
間仕切りをなくしフラットな空間にすれば広々しますが、落ち着きのある空間にするなら適度な仕切りを設けた方が効果があります。







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