『風と光と土間のある家』 竣工:平成21年11月
「創の家」同様、この家でも梁組が見えるよう小屋裏を表わしにしています。
開口部が大きいせいかより開放的な印象があります。またこの家に特徴的なのが梁と柱の材質です。
多くは宮城県産の杉材を用いますが、梁にはオーナーの要望で赤松を使用しました。杉との大きな違いは、硬さと粘り、さらにクセが強い点です。そんな松の特徴を私たちは“暴れる”と表現します。無垢材は乾燥後も調湿により収縮しますが、松は特に強く捻れる傾向が見られるのです。
そもそも硬い上にクセの強い松は建物の骨格にふさわしい木材です。しかしそれと組み合わせる柱にもそれに負けない強さが求められます。
杉には木目の美しさと加工しやすやがありますが、松のクセを受け止めるには役不足です。そこでこの家の柱に選んだのがヒノキです。
杉と同じく木目の美しさを持ちながら硬質なヒノキなら、松のクセも受け止められるだろうという判断です。人と同様に木材にも相性があるのです。またヒノキは独特の香りからわかるように殺菌・防虫効果があるのも特徴です。
竣工から間もなく6年。赤松は経年変化により赤みを強く変色していきますが、これから数十年と色味を変えながらも強さは変わることなく、ご家族の暮らしを支えていくことでしょう。
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