2015年10月8日木曜日

技と工夫のアーカイブ④ 『風と光と土間のある家』 〜真ん中の薪ストーブ〜


『風と光と土間のある家』  竣工:平成21年11月




開口部を多く設け、窓プランにこだわったことでコンセプト通り風と光に恵まれた家になりました。なかでもオーナーの願いを実現させたのがオリジナルの薪ストーブです。

薪ストーブは『創の家』でも設置しておりそのやさしいあたたかさは多くの人に紹介したいと考えていましたが、この家に薪ストーブを導入したことで、その後多くのお宅で薪ストーブを導入するきっかけになりました。

土間の真ん中にあって、家族みんながどの位置からでも炎が見えるようにしたい、という願いは既製品では実現できなかったので、長野県の業者にアイディアスケッチを持ち込み製作してもらいました。明るい日差しが降り注ぐ土間の真ん中に置かれた真っ黒のストーブは、家を支える柱のようであり、シンボルオブジェのようでもあります。

何しろ全くオリジナルのストーブを作るので、オーナーと業者と喧々諤々議論を交わし、ストーブの製作に5ヶ月。家の着工から竣工までは8ヶ月を要しました。

オーナーをはじめご家族とはお互いが納得いくまでとことん話し合い、時には激しく意見し合うこともありました。私たちの家づくりは、オーナーや住まうご家族と徹底的に話し合うとことを大前提としていますが、そうした時間を楽しむのも家づくりの醍醐味だと考えていますし、この家づくりでの経験がその考えの発端であり現在の礎になっています。





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