2016年1月14日木曜日

技と工夫のアーカイブ17 『食・石川』 〜店舗施工〜




住宅も店舗も工場も、すべての建築は設計と施工から成ります。
創では自社で両方を手がけますが、ときには施工だけを請け負うこともあります。
石巻で長くすき焼きなど肉料理の店として親しまれてきた『食・石川』の新築も施工を担当。設計は石巻に事務所を構える冨永明日香さんです。
そんなわけでこの建物にはいつものテーマワードはありません。

お店は不特定多数の方が訪れるので耐久性を確保しなければなりません。増して靴履きのまま利用するので床材も住宅と同じというわけにはいきません。
そこで選ばれたのがナラの木。机やテーブルなどにも用いられるように、強く美しい木目が特徴です。
このナラ材の床ときれいにマッチするのが薪ストーブが置かれる土間。ただのモルタルでは味気ないので、土壁の割れを防ぐためのつなぎとして使われるスサを混ぜ込み、温かみのある土間床としました。お店全体のナチュラルな雰囲気を引き立てていると思います。また個室との境の引き戸の把手には埋れ木材を用いましたが、こうした細かい工夫も店の個性を際立たせます。

店舗建築や施工のみを請け負うことはそう多くありませんが、たくさんの人と関わり、いつもと
違うスタイルで仕事を進めることは、刺激的で新しい発見を与えてくれます。



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