津波被災で家を失ったご家族が、新たに選んだ土地は田園風景が広がる地でした。朝から晩までどこにいても暖かな陽射しに包まれる場所。育ち盛りのふたりのお子さんのことを第一に考え選んだ土地ですが、その素晴らしい環境は、高齢のご両親とご夫婦にも元気を与えてくれるようです。
この家の設計は、辰巳の方向に開け、陽射しに恵まれる立地の良さを生かすことを最優先に考えました。
陽の光を家中に採り入れるためにまず工夫したのは、南東(辰巳)に向いただんらんの間の開口を大きくすることです。二間幅、およそ3.6mの掃き出し窓には障子戸を立てましたが、広々とした印象を際立たせるために一間幅の大きな戸を二枚にし、さらにそれを壁内に収められるようにしました。これにより障子を全開にすれば、部屋の幅いっぱいに陽の光が差し込みます。
また、だんらんの間につながるご両親の居室は南東と南方向に開けていますが、ここでも陽射しを採り入れるよう2面コーナーに掃き出し窓を設けました。朝から夕方まで陽射しが差し込むこの部屋は、家中で最も暖かです。
一般的に辰巳の方向には門や玄関を作るのが良いとされますが、その家相通り、この住まいでは玄関も辰巳を向いています。明るい日差しが注ぐ辰巳の方向は、ご家族にとっても吉方位なのです。
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