狭い敷地。隣家が密集する。それゆえに日当たりも悪い。そんな弱点だらけの環境をどう克服し、住まいに光と風と開放感をもたらすか。課題の多い家でしたが、それだけに大きなやりがいがありました。
敷地の広さは限られているが、駐車スペースは確保しなければならない。そこで最初に考えたのはビルトインガレージです。これなら駐車に問題ないし、クルマも大事にでき、外収納のスペースも確保できる。しかし問題は1階の床面積が狭くなること。そこで居住スペースは2階にまとめるようにしました。すると、だんらんの間などの居住スペースを1階にする場合では難しかった日当たりと開放感を確保できました。だんらんの間で、南東に開けるコーナー窓からの眺めは開放感抜群です。
さらに2階を広く見せるのに役立ったのがスキップフロアです。
つまり一部の居室と他の床面の高さを変えること。すると空間に立体感が生まれ、視界の幅が上下に広がることから、空間を広く見せることができました。
実はこのスキップフロアのアイディアは、ビルトインガレージの上の部屋の断熱性能を確保するために考えたものですが、部屋の広さを生むメリットも生まれたのです。
そして通風と採光のためには、何度か採用しているスノコ床のロフトと越屋根を設けました。
完成時には見学会を開催、多くの方々にご来場いただきましたが、木組みの家は設計の自由度も高いことを実感していただけたと思います。
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