ベランダでも物干し台でもなく、日当たりはいいけど、日向ぼっこをするためでもない。
あえて月見台。
目の前まで山が迫り、周囲には数軒の家があるだけ。街灯も少ない。夜は闇が広がり月が昇れば稜線の杉木立を浮かび上がらせる。
へぇ、月はこんなに眩しく、星はこんなにキラキラしているんだ、と夜空の美しさを堪能させてくれる最高の環境。
せっかくだから、その美しさを満喫する場所をつくろうと考えたのがこの月見台です。
月見台といえば京都桂離宮の古書院のが有名。手摺はなく床面だけの構造になっているのは、そこに座った時、月の昇り始めから中天に昇るまで、手摺などに邪魔されることなく眺められるようにするためという。そしてそれは、中秋の名月が正面に見える角度に配置されているのだとか。
現代の建築基準法では手摺を省くことはできないが、観月の妨げにならないよう、手摺は極力低く。だから立ったままではどこか落ち着かない。やはりどっしり座って、のんびり月夜を楽しむのがいい。
もちろん夏にはごろりと横になって夕涼みもいい。でも虫刺されには注意してくださいね、施主さん。
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