2013年5月4日土曜日

ほほう、と言ってしまう建築のうんちく 1




一生に一度と言われる家づくり。
なればこそ建築現場にも足を運びその過程を楽しみたいものですが、
職人さんたちの会話には専門用語が多く、聞いてもチンプンカンプンだったりします。
素人が建築用語を習得するのは大変だし、わからないことはその都度現場の職人さんに聞くとして、
今回は誰かにちょっと自慢したくなる家づくりにまつわるうんちくをご紹介します。



まず、現場で大工さんと話して戸惑うのが、寸法の表現ではないでしょうか。
メートル法が染み付いた身には尺、寸、分の感覚はわかりづらい。

「入口の幅はどれくらい?」
「3尺です!」
「・・・さんじゃく??」

1尺は30.303cmなので3尺とは約91cm。木造建築では基準となる尺度と言われます。
ちなみに標準的な襖や扉の幅、廊下幅も3尺が基本です。
襖が2枚分の押入などの幅は3尺×2で6尺となりますが、「1間」と言うこともあります。
また、1寸は1尺の10分の1。1分は1寸の10分の1です。

この尺や寸は身体尺が由来とされ、「尺」の文字は、親指と人差し指を広げたカタチが由来だといわれます。
そして、もともと1尺とは、手を広げた時の親指の先と中指の先の長さのことなんだとか。
現在は1尺=30.303cmとなっていますが、大昔の1尺とは20cmに満たない長さだったんですね。

次に「寸」は、親指の幅に由来するのだそうで、これは「インチ」も同じ。
『一寸法師』がどんだけ小さいかがよくわかりますよね!?
それから、1寸と1inchの由来が同じってことは、
『一寸法師』はそのまんま〈1inch boy〉になるってことです!

これでもまだ感覚がつかめないという方も
実は普段の会話で昔ながらの尺度を使っていることに気づいていますか?

「ちょっと待って」の“ちょっと”は「一寸」と書くし、仕事に追われれば「寸暇」を惜しまず働くでしょ?
「寸劇」を「寸前」で見逃し「寸評」できないこともあるかも!?
気づかないだけで、昔からの慣しは今も暮らしに生きています。

え?こんな話しは聞くまでもなく知ってた?
ならば、次回は別なネタを用意しましょう。





矩(さしがね)は、差し金とも書き、「曲尺」とも呼ぶ





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